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ホルムアルデヒドの知識
ホルムアルデヒドとは
数あるVOCの中でも優先的取組みの対象として一番目に取り上げられた「ホルムアルデヒド」は、化学式:HCHO、沸点-21度の無色でツンとくる刺激臭のある気体です。これを40%程度水に溶かし込んだものがホルマリンと呼ばれる水溶液で、フェノール樹脂・メラミン樹脂・ユリア樹脂などの樹脂、接着剤、塗料やホルマリン漬標本などに代表される防腐・殺菌剤などに安価なこともあり、広く使われています。
ホルムアルデヒドは、新品の洋服ダンスなどでよく経験する「ホルマリン臭」といわれる刺激臭により、ごく微量でも感知されます。
明らかに高濃度では人体にいろいろな急性の障害を引き起こしますが、低濃度でも人によってはシックハウス症候群のような障害を起こすことがあります。
ホルムアルデヒド濃度と人体への影響
気中濃度(ppm) 影響
0.2 臭気を感じるが、すぐに慣れて感じなくなる。
0.5 明らかに臭気を感じる。
1 から 2 目・鼻への刺激、不快感を感じる。
刺激による苦痛を覚える。
5 から 10 目・鼻・喉に強い刺激。短時間耐えられる限度。
10 から 20 涙・咳が出る。深い呼吸は困難。
50 以上 5から10分で深部気道障害を招く。

※多田治「労働科学叢書25」労働科学研究所 による
 

【製法】
高校の化学の授業で、熱した銅線をメチルアルコール(メタノール)に浸けるとホルマリン臭がしてホルムアルデヒドの生成が確認される、という実験をした経験のある方もおられると思います。
これは、銅が触媒となって、メタノールが酸化されてホルムアルデヒドができたのです。
工業的にもこれと全く同じ原理でメタノールを空気中の酸素と酸化させて作ります。

 

  CH3OH  + 1/2 O2 −−−>   HCHO   +  H2O
   メタノール   酸素        ホルムアルデヒド   水

 

ホルムアルデヒドはそのままでは気体なので、反応装置の中で水に吸収させホルマリンとして回収します。
ふつうは37%の濃度のものが標準です。
メタノールは天然ガスから作られますが、わが国のホルマリン工場は大半がメタノールを購入して製造しています。

【用途】
防腐・保存剤として: ホルマリン標本など
消毒・殺菌剤として: 鑑賞魚・養鰻の病気予防など 樹脂(接着剤・塗料をふくむ)
原料として: フェノール樹脂(ベークライト)、メラミン樹脂、尿素樹脂(ユリア)、布地の防しわ・防ちぢみ処理剤など

【自然界のホルムアルデヒド】
アルコールが酸化してアルデヒドになり、アルデヒドが更に酸化して有機酸(カルボン酸)になる、というようにアルデヒドは単純な物質です。したがって天然界にもホルムアルデヒドは存在します。
以前、割箸からホルマリンが検出されるという騒ぎがありました(平成6年6月29日新潟版朝日新聞)。木材を乾燥処理すると、樹種によって差はあるものの、木質を構成するセルロース及びリグニンなどからホルムアルデヒドが生成されることが確認されています(「木材工業」1995年2月号、井上明生・林良興)。この研究は、温水中に試料を浸けて、温水に溶出したホルムアルデヒドの量をアセチルアセトン法で定量したもので、どれくらいの気中放散量になるかは明らかではありません。
一方、木材以外にも、食品中に多くのホルムアルデヒドが含まれている(天然の)ことも明らかになっています。


●食品中のホルムアルデヒド

食品 ホルムアルデヒド含有量 (ppm)
りんご・梨などの果実類 2 から 8
きゅうり 2.3 から 3.7
鳥獣肉類 0.5 から 6
魚肉 6 から 14
薫製品 3 から 30
30
冷凍鱈(背肉) 21
冷凍鱈(白身) 4.6
えび 2.4
ヤリイカ 1.8
生しいたけ 6 から 24
乾ししいたけ 100 から 230
その他のきのこ類 8 から 20


「化学」1977年32号 大森光明・福井弥生・山田正三
乾ししいたけなどその多さに驚かれる方もおられることでしょう。
食品中のホルムアルデヒドについては、食品衛生法で検出されてはならないことになっていましたが、昭和45年にシイタケなどに含まれる天然のホルムアルデヒドについて「人の健康を損なう恐れがなく、かつ近時の環境汚染などに由来するものではないので、食品衛生法に基づき画一的に規制することは必ずしも適当ではない」として適用外としました。
人工のホルムアルデヒドと天然のホルムアルデヒドと有害性に違いがあるのかどうかは疑問のあるところですが、弊社のマルエフ合板でもデシケーター法でテストしますと、樹種によってごく稀に天然由来のホルムアルデヒドが検出されることがあります(もちろん微量ですが)。
木材から溶出法によってホルムアルデヒドが検出されると言っても、実際に気中濃度に大きな影響を与えるほどの放散量はないものと思われます。
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